痛みや症状には大きく分けて2つの意味があると考えています。
①体内環境を正常化するべく、やむなく起こしている治癒反応
②「心身への負担がかかり過ぎ、生命活動にとって危険だよ」と知らせてくれるシグナル
シグナルを体が発するのもまた、体内の生命活動を阻害させず、正常化させていきたいからであり、こうした体内の生命維持のための働きを「体内浄化環境論」と逍遥堂では名付けています。
しかし、西洋医学の現場や一般の多くの人は、この2つを「病気」という悪い意味でとらえてしまうため、
「早く症状を止めたい」
「痛みを消したい」
と、いう部分に囚われ、クスリを用いて症状をぼやかす・ごまかすという「対症療法」に終始してしまいます。
「症状」というのは、火事でいえば「警報ベル」のようなものであり、
「火事が起こっているよ」
と、ベルを鳴らして教えてくれているのです。
本来ならば、大元の火を消しさえすればベルは自ずと消えていくのですが、多くの人は警報ベルが鳴っている意味を分からず、
「なぜだか知らないが突然うるさい音が聞こえる。これは異常(病気)だ」
と、考え、医者から「音を聞こえなくするための耳栓(クスリ)」を処方してもらっているのです。
多くの医療従事者にも問題があり、本来なら、
「ベルが鳴っているのは火があるからですよ」
と、気づかせてあげるのが医療の立場であるにも関わらず、
「なぜか分からないがベルが鳴っているので、とりあえず耳栓を渡すので様子を見てください」
と、言っているようなものなのです。
これで耳栓をしている間に、軽い火ならば自然と消えることもあるでしょう。
しかし、多くのケースで原因が改善されないため、火がますます燃え広がり、それを知らせるべく、さらに大きなベル音が鳴り響くようになるわけです。
そこで火の存在に気づけばいいのですが、多くのケースで、
「では、もっと材質を変えた耳栓をしましょう」
「もっと深く耳栓をさしましょう」
と、さらなる対症療法に走ってしまうため、何ら解決には結びつきません。
挙句の果てには、
「聞こえないよう耳の鼓膜を除去しましょう」
と、オペをしたりします。
こうしてたとえ話で話せば、なんとも滑稽な光景なのですが、恐ろしいことに多くの医療現場ではこれと同じ事が平然と行われているのです。
逍遥堂で行う施術の本質は、この火を消すことにあります。
火が燃えている原因を突き止め、火を消すことで結果的にベルが鳴る必要性をなくすのです。
そして、火が燃えている原因のほとんどは、「その人の生き様」に隠されており、それを見つけ、日常生活の改善をはかってもらい、人間の持つ回復力をサポートしてやれば、おのずと状況は変わっていくのです。
回復力を引き出すべく、具体的には、
●気の巡りをよくすることで、血の巡りをよくし、臓腑・筋緊張を癒していく
●気が動きにくい場合は、血の巡りを動かし、気をも動かす
●脳に働きかけることで筋緊張を解いたり体の軸を修正し、内圧を開放していく
と、いったアプローチを行い、火事の火を消していきます。
ここでいう「気」とは、エネルギー・周波数・波動・自律神経の働き・・・などと置き換えて頂いて結構です。
万物はすべて振動しています。
細かい粒子の世界にまで目をやれば、個体であっても液体であっても、細かい粒子が振動している姿がそこにあります。
これは量子物理学の世界で証明されている事実であり、古の人が「気」「プラーナ」などと呼んでいたものです。
「気」すなわち「エネルギー」「振動数」「波動」「周波数」は、あらゆるものを構築しており、人間とて例外ではありません。
そして、この「エネルギー」の乱れた状態を、人は病気と呼んでいます。
エネルギーが安定していれば健康体であり、エネルギーに乱れがあれば病ということです。
ですから、アトピーであろうと腰痛であろうと、エネルギー的見方をすればいずれもエネルギーの乱れであり、それを整えれば正常化するということがいえます。
例えば、整体的見方をすれば、「筋緊張」「筋膜」「血流」「リンパの流れ」「歪み」「自律神経の乱れ」などの異常という診立てになりますが、エネルギー的に見れば、エネルギー状態の乱れが物質的段階ではそのような形になっているというだけであり、全てをエネルギー的段階にまで落とし込んで診立てれば、どのような症状であってもエネルギーの乱れさえ正常化すれば元に戻っていくはずなのです。
もちろん、簡単なものもあれば、非常に複雑なものもあります。
単に「肺のエネルギーのマイナス」を整えるだけで肩の痛みがその場で消失するというレベルもあれば、体内に蓄積された有害物質をも排泄しなければ再び痛みがぶりかえしてしまうケースもあります。
これからも深化していく必要がありますが、「エネルギー療法」「気を巡らす伝統的な鍼灸」はあらゆる病を癒すことができる可能性を秘めていると私は考えます。
「気の医学」は、最先端の未来医学であると同時に、古来の治療法への回帰であるともいえます。
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