私が東洋医学に興味を持ったいきさつ

 

私は元々、治療家とは無縁の生活を送るサラリーマンであった。

大学卒業時、Macを用いてデジタル製版する仕事がしたくて、印刷会社のデジタル製版部に入社したのだが、配属が事業部内の工程管理の部門だった。

当初、現場で働くことを求めて入社した私は大変ショックであったが、印刷工程全体の流れを把握したり、複数のセクションの知識を知ることが出来たり、事細かな準備をする思考を身に着けたりと、今から思えばそれはそれで得難い経験をしたのだと思っている。

現に、その時代に知った知識は、後々の電子書籍出版やHP作成などにも活用できているのだから、面白いものだ。

 

ただ、若かりし当時の私は、残業も多く、ストレスもあり、暴飲暴食をしたりして体調不良になる事も多々あった。

私のみならず、周囲の人たちも、不健康な状態の人が目についた。

ほか様々な事がある中、「自分の人生はこのままでいいのだろうか」というような、若者の多くが考えるであろう思考に陥る事が増え、後半はほとんど毎日がその状態であった。

総合すると、私にとって富貴や地位などは大した問題ではなく、自分の生きざまに実直な情熱を見出せるような何かがしたかった。

やや曖昧な表現をすれば、商人より職人、華美で豪奢より質実剛健、周囲の状態ではなく自分自身で立脚し何事かに貢献出来得ることをやりたかった。

 

梅田駅の構内に、鍼の専門学校の看板が掛けられてあったのは、一つの考えを至らせるきっかけにはなった。

ただ、そうした思いの原体験には、学生の頃に見たテレビドラマで、中国の鍼灸医が西洋人の子供の熱病を鍼灸で治すシーンがあった。

私はこれまで鍼治療などを受けたことは皆無であり、私にとっての東洋医学とは、伝統的な技術や知識に基づき、難治な熱病であろうと治癒させ得る不思議なものであった。

世間一般が抱くであろう「肩こりをほぐす」「腰痛の人にブスブス刺す」ような物理的・慰安的な対症療法なものではなかったのだ。(もし当時、そんな有様を目の当りにしたら、やろうとは思わなかっただろう。)

熱病なのに「手足やお腹などに浅く鍼をし、灸をすえ、脈を診て、少年に多量の汗を出させ、熱病を治癒させた」という根本的治療こそが、私にとっての東洋医学の姿だったのだ。

 

やがて、企業を辞め、鍼灸の専門学校に入ることを決めた私であったが、専門学校に入る前、2度ほど風邪の治療として鍼灸治療を受けたことがあった。

1回目は、しんどい中、上記のシーンを思い出し、会社近くの鍼灸専門院をたずね、治療を受けたものであった。

(おそらくは、すでに鍼灸専門学校入りを決めていた時期だと思われる。)

その治療院では、私のイメージに近しい、全身的な治療、脈・舌・ツボを診て診断を下す内容であった。

頭から、足底まで、おそらく全身の要穴に鍼をし、温灸のようなもので体を温める治療法で、治療中、体がビクンとはねあがるような不思議な感触が

あった時、「気が通った」と術者が述べていた。

2回目は、結婚式前日、風邪気味であった私は鍼灸治療を受けた。翌日はとても元気爽快であった。

 

こうした流れを踏まえ、意気揚々と専門学校に入ったのだが・・・、そこにいる多くの人々も学校の内容も、私の理想とはかけ離れたものであった。

 

「柔道整復師をとらないと鍼灸師だけでは食ってはいけない」「保険でできる柔道整復師がいい」「鍼で難病がよくなるわけがない」

などというロクでもない風潮が蔓延し、他の人々もそうした愚かしい決めつけに毒されていった。

私が、「鍼でアレルギーが治せれば、きっと人は来る」と言ったら、彼らは半笑いで「まあ、そりゃ、本当に治せたらだけどね・・・」と言っていた。

 

先生のほとんども、物理的刺激を主体とし、たまにいる「気が」とかいう人でさえも、重症腰痛のような人には物理的刺激に走るような状態であった。

一見すると、丁寧に全身治療をし、いい感じの気持ちいい状態を作っていても、大して治せない治療と慰安をミックスしただけの代物だった。

 

私は、そうした風潮が腹立たしく、学校の勉強に加え独学でも様々な文献や書籍を読み漁り、何が根本治療なのかを追い求めていた。

そのかいあって、学校の成績は最優秀者として卒業時に表彰されたり、学費の免除も受けることが出来た。

卒業時には、今の私が基軸にしているくらいの理論は大まか出来上がっていた。(体内浄化環境論)

 

私が卒業した頃から15年ほど経った今もなお、世の中のほとんどの治療院では、ロクでもない考えに基づく金稼ぎに終始している。

口では綺麗ごとを言って、根本治療とか言っておきながら、実態はおそまつなものが多い。

本当の意味での治療家は一部だけだ。

 

あのころ、アレルギー治療などできるはずがないなどと笑っていた者たちは、今どうしているのだろうか。

全く、興味がわかないが、おそらく一事が万事、さぞかし経営状態に固執しながら、自身も患者もコロナワクチンを打つことに何も思わず、愚かしい未来を作り上げていることだろう。

 

正直、私はこの医療業界が好きではない。

本質的な治療体系は好きなのだが、業界の風潮、金儲け主義、マッチポンプ構造、医者・柔道整復師・鍼灸師などの業界人の人格の多くが好きではないのだ。

もちろん、素晴らしい人もいるし、素晴らしい体系もあるのだが、それはごく一部でしかない。

誤解を恐れずに言えば、世の中の病気・利権構造・人間社会構造などが乱れ切っている一翼は、今の医療業界にあると思っている。

「そんなことはない」

と、反論するだろうが、コロナワクチンを善意面して勧めるような医者や医療業界人、おかしさに気づこうともしない者たち、おかしいと思いながら声を上げない者たち、ワクチンは駄目だが治療薬はいいなどとほざく自称覚醒者たちの全てが嫌だ。

 

だから、私はあまり組織というものに所属せず、言いたいことを言うようにしている。

 

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