上腕二頭筋長頭腱炎の痛みが改善 大阪市 Iさん 20代 女性

<経緯>

昨夜から右肩の付け根が痛み出し、腕が上がらない状態。

 

 

<検査>

テストの結果、上腕二頭筋長頭腱炎の疑い。

流注として、「手の太陰肺経」上に痛みがあり、「経筋病」と診断。

 

 

<処置>

鍼灸

 

 

<効果>

顕著な圧痛を示した右側の「魚際(母指球付近のツボ)」、左側の「腎関(下腿部にある肩のツボ)」に刺鍼し、術後に皮内鍼を施す。

 

肩の痛みは本人が当惑する程、その場で消失した。

 

 

<解説>

痛みのある局所(右肩つけ根の上腕二頭筋長頭腱)には一切触れず、親指や脚のツボのみを用いて痛みを消失させた例。

 

右の母指球付近の「魚際」は肩に通じる経絡上にあり、今回のような痛みのケースで圧痛が生じている場合が多い。

急性期の炎症の際、このツボに鍼をすると、痛みがなくなったり炎症の回復が早まったりする。

 

さらに、左脚の「腎関」というツボは、肩と関連するところで、こうした肩の痛みに効果的である。

このツボは、通常の経絡学では扱われていない、特殊なツボである。

 

病因病理を述べると、元々腎虚傾向にあり、「左下の虚」と「右上の実」という気の偏在が生じて起こったもの。

「左腎関」で左下の腎虚を補い、「右魚際」で右上の邪実を散らすことで、効果が表れた。

さらに、肩に通じる経絡上の「魚際」は、筋の急性トラブルの際に反応が出やすく、経筋病に対する効果を発揮する。

 

現在では、エネルギー療法を中心にして改善させていくが、当時はこうした鍼治療を行い研究していた。

 

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